最近は3Dプリンタも比較的安価になってきて、ものづくりが身近になってきました。
その中で避けて通れないのが3D CADです。
CAD? 建築関係で使う図面?
こう書くと語弊があるかもしれませんが、このブログを読んでいる方のほとんどがCAD初心者もしくは「そもそもCADを知らない」という方でしょう。
そんな方達のためにポイントを4つに絞って世界一簡単にCADを解説します。
実際、僕自身も過去にCADに悩まされて、悩んだ挙げ句、勉強してCAD図面作成のサービスを行う会社を2017年に設立いたしました。
CADは図面を各パソコンソフト
端的にいうと、図面を描くソフトの総称です。 Computer Aided Designの略で、日本語にすると「パソコンで設計をお手伝い」です。
以前はドラフターという机で手書きで図面を書いていましたが、パソコンが一般的に普及してからは、「図面と言えばCAD」になりました。
CADが普及してから、作図したり修正したりする作業がかなり楽になりました。
ドラフターの時代だと、図面の修正はもちろん消しゴムで消していましたし、
鉛筆などで書いていたので線の太さも統一出来なかったこともあるそうです。
それがパソコンが普及してCADソフトが開発されてからは、作業時間がかなり短縮されました。
そうすると、CADは一気に普及しました。
CADには2Dと3Dがあります。それぞれ、2次元とか3次元とか言ったりします。
これは2次元 CAD図面です。(手書きのドラフターではないですね)
見ての通り、2D CAD図はまさに「The 図面」という感じがしますね。
2次元の図面は、「上、下、左右、表裏」の6面を図面にします。サイコロを想像するとわかりやすいですね。
ただ、その図面から描かれているものを想像するのは、素人ではかなりハードルが高く専門家でないとわからないと思います。
それに対して、3Dは2Dの図面をもとに立体で表現するので、誰が見ても視覚的にわかりやすいですよね。
もちろん、パソコンの画面で360°回転し、拡大縮小も自由なので、非常に便利です。
つまり、3D CADが登場してからは、図面に詳しくない人でも完成形の形が視覚的に確認出来るようになったのです。
また、3D CADの素晴らしいところは、上の図面のようにいくつかの部品が組み合わさったときに、部品同士がぶつかって干渉していないか、
そんなことも簡単に確認出来てしまうことですね。
この視覚的に形状や干渉を確認できることが3D CADを使うことの一番のメリットじゃないでしょうか。
一般的に、2Dと3Dのどちらが優れているか?ということではなく、用途によって使い分けることが多いですね。
例えば住宅や設備関連の図面は基本的に2D CADでやり取りされることが多く、立体的なものづくり系、機械系の場合は3Dでやり取りすることが多いと思います。
というのも、設計したものを試作や量産するのに、素材を機械加工する場合は、その加工機械自体が3D CADのデータを必要としている場合が多いです。
どんな時にCAD図面が必要?
機械系で言えば、これからものづくりをしようとした時に、必要になります。
というのは、その素材が金属であろうと樹脂であろうと、機械加工が必要な場合には、ほとんどの場合にCAD図面が必要になります。
もちろん、「手作り」で何かを作ろうとする場合は必要ありません。
例えば、何か金属を加工したいと思ったとき、工場はCAD図面が無いと作業が出来ません。工場は図面を元にその寸法を機械に入力して加工するんです。
では、寸法が入っていれば特にCADじゃなくても良いんじゃない?って思いませんか?例えば、パワーポイントで線画を書いて、なんならフリーハンドでイラストを書いて各所に寸法を記入すれば大丈夫なんじゃないか?と。
最初は僕もそう思いました。結論から言うと、これはだめなんですね。何故かと言うと、パワポやフリーハンドイラストでは、正確な形が成り立っていなく、つまりは最終加工品の形がわからないので、実際に加工が終わった後で確認が出来ないのです。
ですので、何かものづくりをしようと思ったときには基本的にはCADが必要になります。
CADって、たくさん種類がある?
そうです。実はCADソフトは一種類ではないんです。
2D CADソフト、3D CADソフト、数えきれない位あると言っても過言ではありません。 例えば、ものづくり系3D CADで有名なところでいうと、
・CATIA(キャティア)
・Auto CAD、Solid works(ソリッドワークス)
・CREO(クレオ)
などがあります。
また、建築業界で一般的に使われている2D CADでは、JW CADとかが多いですね。ちなみにJW CADはフリーソフトです。
実際には僕も把握しきれていませんが、数十種類あります。
CADソフトにはそれぞれに特徴があり、要するにその業務(モデリング)に必要な機能と実際に使用するオペレータの好みによって使用するCADが違ってくるんですね。
しかし、ここで問題が発生します。
例えば、Auto CADというCADソフトで作ったデータ(生データと呼びます)はSolid worksというCADソフトでは読み込めません。
つまり、生データには互換性がなく、同じCAD同士でないとデータの読み込みが出来ないのです。
これはめちゃくちゃ不便です。
CADデータは社外との受け渡しが多く発生します。
設計事務所から、クライアント、そして現場の金型工場や加工工場まで。
これらが一つのソフトで統一されているわけがなく、データの互換性がないと成り立ちません。
極端に言うと、エクセルファイルをワードで開こうとしても、当然開きません。
しかし、これを解決してくれるフォーマットがあります。
どんな環境でも開く中間ソフト
わかりやすく言うとPDFファイルのような感じです。
PDFファイルは、どのソフトで作ったデータでもPDFのフォーマットに変換するとどんな環境でも読み込めるのと同じですね。
それは中間ファイルと呼ばれるフォーマットです。例えばデータを作成したあと、保存する時に中間ファイルのフォーマットを選ぶことでCADの環境が変わっても
読み込むことが出来ます。以下が代表的な中間ファイルのフォーマットです。
STEP(.step) ※ステップと読みます 3D CADフォーマット
国際標準化機構(ISO)により規格されたファイル形式です。国際標準として普及が進んでいます。
IGES(.iges) ※アイジェスと読みます 3D CADフォーマット
米国国家規格協会(ANSI)によって策定・規格されたファイル形式で、自動車関連でよく使われています。
DXF または、DWG ※ディーエックスエフ、ディーダブリュジーと読みます 2D CADフォーマット
オートデスク社が開発したファイルフォーマットです。オープンソースとなり、さまざまなCADでも使用されています。
基本的にこの4つを覚えておけば大丈夫です。
「STEP(ステップ)ファイルで納品をお願いします」とか、「STEPとDXF、それとPDFをください」いう感じですね。
また、3Dプリンタで出力する場合はSTLというフォーマットを選びます。
いかがでしたでしょうか。意外と簡単ですよね!
なんとなく理解できましたでしょうか?基本はこれを知っていれば十分です。
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この記事を書いた人
MAKERS DESIGN株式会社
代表取締役 橋本荘一朗
MAKERS DESIGNは代表自信の経験から、CAD図面作成コストを効率的見直し、従来の一般的な価格の50%の価格で提供している会社です。