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【ロックノブのデザイン】世界一美しいカバンを作る。ep3

橋本荘一朗
初めて挑戦する『ものづくり』の挑戦記事のep3です。世界で一番美しいカバンを作るという目標を掲げています。
ものづくりの経験がまったくない僕が、いろんな問題にぶち当たっては乗り越えて次へ進む記事です。
※このシリーズの記事は通常の記事文章と違い、『非常に口が悪い』ですので悪しからず。
前回の記事はこちら
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factory
僕のカバンの一番の特徴であるアルミの削り出しフレームは、CAD図面が無いと試作すら作れない。
しかし、CAD図面をかいてくれるところがない。
ない。
無い。
なので、ここで止まっていても仕方がないので、他の部品のデザインをします。

ロックノブの考え方。

アルミ製の鞄というと、一般的にはゼロハリバートンリモアを思い出す。

または機材ケースやカメラケースなど。

これらの鞄のフタとケースを留めるギアは、一般的には引っ掛けて留めるラッチやアタッシェケースなどボタンを押して開閉するプッシュラッチが多い。

RIMOA

しかし、このラッチ、どうも美しくない。

それ自体がゴツイし、作動させる手の動作も美しくない。

何か画期的な開閉ボタン?はないものだろうか・・・・

百貨店の鞄売り場をリサーチしても、浅草橋の問屋街をリサーチしてもノーアイデア。

数日Googleで検索しても、ノーアイデア。

(このままだとノーアイデアのまま時間だけが過ぎていくなぁ。。まさにNOマネーでフィニッシュだ。)

そんなある日、気晴らしに新しく発売されたガンプラを物色に秋葉原に訪れたときのこと。

高級オーディオが陳列されているShow roomを見つけ、何気に入ってみた。

アンプなどが恐ろしい値段を掲げている。

に、250万!?

ん〜、数万円のアンプと何が違うのか全くわからないが、別なところに目が行った。

ボリュームに似た、セレクターノブ。

恐らくアルミを削り出して作られたそのノブは、綺麗なアルマイト処理がされており、

ノブのトップには、iPhone5にあったようなダイアモンドカットが施されている。

光の当たり加減でキラキラと美しい輝きを放つ。

(写真)

これをブリーフケースの開閉スイッチに使えないだろうか?

 

 

ここは幸いにも秋葉原。

 

すぐにShow roomを飛び出し、電子部品の秋月電子へ。

このノブの内部がどうなっているのか全くわからないが、店員さんに聞いてみたところ

恐らくこれだろうと。

ロータリーエンコーダというらしい。これが、例のセレクターノブの中身がこれです。

(エレキギターのボリュームノブの中身もこれらしいです)

触ってみると、たしかにオーディオのボリュームノブのような、少し抵抗のかかった回転をする。

早速この突起に取り付けるノブを探してみるが、やはり既製品はダサい。

(これも自作するしかないか。。。)

このノブをアルミのフレームにどうやって取り付けて、一体どのような機構で開閉させるのかは、
まだ全く考えていないのだが、とりあえずビジュアル的なものを優先してデザインをすると、これ以外に考えられない。

とりあえず回転式の開閉機構ということだけで十分。

早速、ロータリーエンコーダーを数個購入してみます。

回したときの少し感じる抵抗感の正体は?

さて、この時点でノブに対して考えなくてはいけないことは以下。

①回したときの微妙な抵抗はどうやって作るのか?

この抵抗感が大事で、「回して、ロックする感」が生まれると思う。

(普通に突起にベアリングをかましただけだと、何の抵抗もなくクルクル回るだけ)

②実際のロックノブを作ってくれる工場を探す。

③どうやってこのノブを使って鞄を開閉させる機構を作るのか。

(③は考察に時間がかかりそうなので、後回しにします。)

まずは実際にノブを取り付けたイメージを確認するために、書いたイラストをベースに紙の実物大のモックを作ることにしました。

材料は東急ハンズで調達し、約4時間で製作。

アルミのフレームの実物イメージとしてはこんなもんでしょ。

イラストよりは良しとしましょう。

さて、

①のノブの回転時の抵抗感の検証に関して、これは単純。

真っ二つにぶった切るしかない。

なので、クランプ(万力)にロータリーエンコーダを固定して、サンダーで縦に切れ目を入れます。

写真は撮り忘れましたが、真っ二つにしてわかったこと。

なんてことはなく、ベースと軸にほぼ隙間がなく、そこにグリス(粘着性のある滑降油)が塗ってあるだけでした(笑)

②ロックノブを切削してくれる工場を探します。

Googleで「ボリュームノブ 切削」で検索すると幾つかヒットしました。

その中で、HPでの製品紹介ページでとてもクオリティの高いノブを製作している会社、

畑精密工業にアポを取って、数日後に訪問しました。

そこの会社の社長兼職人の方はとても気さくで若い方です。

(・・・大田区とはちがうな。。)

その場でその工場が製作しているノブを見せてもらいました。

美しい!  の一言です。

まさに秋葉原のShow roomでみた高級オーディオのボリュームノブです。

たどり着きましたね(笑)

橋本荘一朗
それで、ロックノブの試作を作りたいのですが、CAD図面がないんですよ。大丈夫ですか?
中村社長
これくらいだったら図面は私が書きますから大丈夫ですよ。サイズだけ指定してください。

WooooooW!

ほら!

橋本荘一朗
それで、ついでと言っては何ですが、この鞄のフレーム、アルミの削りだしで作りたいんですが、この図面もないんですよ。
図面を書いてくれる方とかいらっしゃいますか?
中村社長
う〜ん、これは結構形が複雑で、たくさんのR(曲線)で構成されていますよね。
これ、鞄としてみたら形はシンプルですけど、図面は結構難しいと思いますよ。

 

橋本荘一朗
うぅ・・・。(会心の一撃はでず、やはり痛恨の一撃だ。。。)

 

中村社長

(私が持参したモックをしばらく見ながら)

・・・これ、もしかしたら三次元測定で図面化出来るかもしれませんよ。

三次元測定!?

なんでも三次元測定とは、「現物はあるけど図面がない」というような場合に、それを360度スキャニングして図面化するようなものらしいです。

まさにオリエンテーリングのような展開で、行く先々で次のヒントをもらっています(笑)

早速社長さんにお礼をいい、工場を後にし、近くにあったファミレスでPCを広げます。

「三次元測定 東京」 で検索します。

ありました!

それも会社から30分以内の距離で。

早速その場で電話をし、3日後にアポを取りました。

アルミフレームのCAD図面作成への道のりになるか!?

続けてどうぞ!

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